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アルカス

2019-12-29 08:39 アルカス先生のブログ〜失くし物ホラリー占星術(仮題):28年前無くなったお人形さんの行方その24
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こんにちはアルカスです。いつも大変お世話になっております。今回も当ブログ記事へのご訪問をいただき、誠にありがとうございます。

この連載は今回で24回を迎えました。結構な長丁場になってしまいまして、お付き合いいただいている皆様方におかれましては、本当に感謝の言葉もありません。心より厚く御礼申し上げます。

とあるお客様から頂いたご質問より立ち上げました失くし物系のホラリーチャート。その解読をしていくにあたり頼りとするのは、敬愛する17世紀イギリスの伝説的占星術師ウィリアム・リリーが遺してくれました西洋占星術の教則本「クリスチャン・アストロロジー(以下CAと略します)」です。つまり同書に載っている星の配置にチャートが合致する部分があれば、その暗示するところを紹介させていただき、読み進めていく事でご質問の真相に迫ろうというのが、本連載の主旨です。

何とも長期化してしまっているのは、CAの中でも失せ物系のホラリーには、リリー先生かなり多くの文量・ページ数を割いており、その分ご紹介する割合も増えていますので、がその理由となる訳なのですが、改めて思うにお客様からのご質問は

「あの人形は誰が何処に持って行ってしまったのでしょうか」

がメイン内容です。取り戻せるか、返ってくるか、といったお話はなかったです。

 

まあ30年弱経っている事もありますので、お客様の心の内にその思いがあったとしても、現実的ではないと思われて口には出さなかったのでしょう。

が、リリー先生は発見・回収の鑑定に付きましても数多くの暗示を私たちに遺してくれています。

可能性だけで測るなら厳しいお話かもしれませんが、せっかくですのであてはまっている配置がありましたら、その意味するところも詳らかにしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

 「引っ越し中無くなったお人形さん達は、誰が何処へ持っていってしまったのでしょう」

2018.5.21 17:08

where'smydoll

 盗まれた物の回収・返還に関する暗示と証明は、CA P356からP358においても引き続きびっしり書き込まれています。

CA P356 2行目

「月かアセンダントのロードがアセンダントにアスペクトしている。もしくはこの2星の内1つだけでも2室のロードか月のタームのロードに接近しているのなら、盗まれた物は徹底的な調査と入念な捜索の末に発見されます。」

リリーはCAの中で、自身が購入した魚が倉庫から盗まれた経験談を話してくれています。397ページにある「盗まれた魚」がそれです。ここで彼は自ら被害者としてのホラリーチャートを立てていますが、あ、ちなみにこの項は私が訳し解説したものを去年アップしておりますので、良かったらご覧になってください。

失くし物ホラリー占星術(仮題):盗まれた魚/Fish Stolen

「盗まれた魚」の連載は全部で12回ですので、出来ればすべて目を通していただけるととても嬉しいです。

「盗まれた魚」その7の中で、月が2室のロード水星に接近セクスタイル・アスペクトを形成しているので、何か手がかりが掴めるだろう、とのリリーの記述をご紹介しました。これは上記にある356ページ2行目の暗示に当てはまっています。

本チャートではこの暗示に当てはまる部分はあるでしょうか。

月とアセンダントのロード火星がアセンダントに接近しているか、もしくはこの2星の内1つだけでも2室のロードであり、月のタームのロードでもある木星に接近しているかを調べます。

獅子サイン19.33度にある月はアセンダントカスプ蠍サイン9.41度から分離しています。

アセンダントのロード火星は水瓶サイン1.56度にあってアセンダントカスプ蠍サイン9.41度にクォドレイト(スクエア)接近しています、がこの火星は水瓶サイン9.13度で停止、もと来た道を戻っていく逆行モードに入ります。よって完全なクォドレイト(スクエア)にはなりません。

2星は2室のロードであり月のターム惑星である木星にも、同様の不成立を示します。

獅子サイン19.33度にある月は木星蠍サイン16.49度から分離しており、火星もクォドレイト(スクエア)接近するかと思いきや、9度で逆行しますのでアスペクトは作られません。

よってこの返還には本チャートは当てはまっていないことになります。

 

CA P356 7行目

「月のハウスのロードと月のターム星とが動きの上でも数の上でも減衰しているのなら大部分は失われ回収は難しいようです。」

これはその22でご紹介しましたCA 355ページ16行目からの一文と、相対するものです。

 「月のタームのロードと月のハウスのロードが動きの上でも数の上でも増している場合、そして凶星から逃れている場合、盗品はほぼ完全な形で無事返還されるでしょう。」

 これですね。月のハウスのロード惑星と月のターム惑星が順行し、その動きもスピーディーならば、そして凶星とアスペクトしていなければ、盗まれた物は完全な形で見つかります、という証明に対し、1ページ間を空けて、そうでなければ発見は難しいだろうと改めて記している訳です。

 22でご説明しました通り、月のタームのロード木星は逆行、月のハウスのロード太陽も減速している為、回収発見は難しいと出ています。

続きまして356ページの最後の行から「返還に関する格言」というタイトルで、ばらばらと返還ならび不返還に関する証明が列記されています。本チャートに当てはまっている文のみ、ご紹介していきます。

P357 5行目「アセンダントに2室のロードがあるなら、返還を意味します」

2室のロード木星がアセンダントにありますので、この証明は当てはまります。

同ページ 8行目

「2室もしくは2室のロードが損なわれているなら、完全な返還は叶わないでしょう」

2室には何もありませんが、2室のロード木星は8室のロード水星牡牛13.04度と、約2日後の2018年5月23日14時52分頃に、向かい合う形のオポジション・アスペクトを形成します。

これは木星が損なわれていると申しますか、ちょっと厳しい暗示のような気が、します。

CA358ページにはあれ、これって矛盾してない?的な文章が二つ出てきます。

一つは25行目の一文です。

「8室のロードと2室のロードの間に接近か、もしくは光のトランスレーションが見られるのなら、回収出来ます」

もう一つは34行目です。

「2室のロードが8室のロードにその角度が何であれアスペクト接近しているのならば、回収は出来ません」

 ええっと…(笑)どう考えればいいのかな?リリー先生書いていて何とも思わなかったのでしょうか。。それとも校正ミスか何かかな?

 

おそらくリリー氏は当時手に入るだけの様々な占星術の本から学び、CAを書く上で大いに参考にしたと思われます。特に泥棒の項においてはアル・タバリの名で知られる9世紀タバリスタンの占星術師サール・イブン・ビシャールや、やはり9世紀イラクの学者アル・キンディの書物をよく読まれたのでは、と想像します。文章の流れが似ているように感じるからです。ベンジャミン・ダイクス翻訳・編纂による「The book of nine judges」P324から325にかけてのサールの研究をご紹介します。

「2室のロードが8室にある、もしくは8室のロードに接近しているのなら、失くし物は見つからないでしょう」

「一方、8室のロードが2室のロードに接近しているのなら、盗まれた物は泥棒の損失と利益を伴って戻ってくるでしょう。特にアセンダントのロードによって受け止められているのならば」

 一部意味不明な点があり、それは私アルカスの拙い翻訳力のせいだとご了承いただいて、まあおそらくは2室のロードが8室のロードに接近しているのならば、結局探し出せないでしょう、逆に8室のロードが2室のロードにアスペクト接近しているのならば、ま、どういう形にせよ戻ってくるでしょうと、そう読めるのかなと思われます。

 つまりどっちがどっちに接近アスペクトしているか、という問題をより古代の占星術師達は気にしたようです。リリーは試してみる中で、その辺いまいち納得しきれていなかったのかもしれません。何となくそうであったりなかったりする的なモードで、正直に二つの可能性を記したのかもしれません。

1世紀前後と、より古い時代に活動していた占星術師シドンのドロセウスは、やはり「Nine judges」332ページの中で、

「7室に8室のロードがあるのならば、盗まれた物は散り散りになっている。」

「そして8室のロードが2室のロードに接近しているのならば、盗まれた物は戻ってきます。まあ一部泥棒によって使われたり消費されていたとしてもです。」

 と述べています。

 私が見る限り、この考察はCAには載っていないようです。しかし本チャートの8室のロードの状態はこの記述にきっちり当てはまっております。

あるいは将来、持って行かれた物の一部が見つかる可能性があるのかもしれません。

現時点では信じがたい事ですが。

 

次回に続きます。

 

 

アルカス