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アルカス

2018-01-25 08:27 失くし物ホラリー占星術(仮題):盗まれた魚/Fish Stolen
時計

 

こんにちはアルカスです。いつも大変お世話になっております。

 

いつも僕の記事をご覧いただき誠にありがとうございます。

 

今回は17世紀イギリスが生んだ偉大な西洋占星術師・ウィリアム・リリーの名著「クリスチャン・アストロロジー」から、35ある例題ホラリーチャートの中でも特に有名な一枚「盗まれた魚/Fish Stolen」をご紹介したいと思います。

これ、とても面白く興味深い内容で、楽しんでいただけること請け合いでございます。どうぞ宜しくお願い致します。

時代は1637年。1602年に生まれたウィリアム・リリーさんは35歳になっていました。彼はその頃イギリス・サリー州のハーシャムという、後に1970年代の有名パンクバンド・シャム69を輩出する(あまり占星術と関係ありませんが、僕の好きなバンドなのでつい書いてしまいました)町に住んでいました。

リリーさん、年末くらいにロンドンで、翌年のレントの期間中に食べる用の魚を(後から出てくるので今書いときますが、ポルトガル玉ねぎ一袋も)買い、翌1638年の2月10日にハーシャムの川上にある自宅に届けてもらう手筈を整えておきました。

ところが当日朝やってきたのは手ぶらの漁師さん達。その中の一人がおもむろに「実は昨日の夜、うちの倉庫に泥棒が入って、お宅んとこの魚が盗まれたんです」と緊急事態を告げてくるじゃありませんか。リリーさんびっくりして、今話を聞いた正確な時刻を確認すると、すぐさまホラリーチャートを立てました。彼の頭に浮かんだ質問は

1.俺の買った品物、つまりお魚さんはいまどこでどうなっているのか
2.完全回収は可能か。あるいは一部のみになるのか。

です。

この時リリーさんが立てたチャートはこれです。

「買った魚は今どこ?ちゃんと戻ってくる?」
1638.2.10 8:45
stolen fish

はい。本チャートにつきまして、色々お気づきになるポイントがあるかと思います。違和感と申しますかね。その辺の説明からまず入らなくてはなりません。ゆっくりやっていきますので、ゆっくりお付き合いくださいませ。

まずその1 「1638年2月10日8時45分、と記してある下のチャート図は1638年2月20日9時とデータ表示されている。日にちも違えば時間も若干ずれがあるのはなぜか」につきましてご説明いたします。

リリーの著書クリスチャン・アストロロジーに載っているFish stolenのホラリーチャートには、きっちり1638年2月10日8時45分と記されています。

しかしながらチャート図はそれより10日先の2月20日になっているのは何故かと申しますと、1582年10月15日、時のローマ教皇グレゴリウス13世が1500年以上に渡りヨーロッパ各国で広く用いられてきたユリウス暦を破棄、新暦グレゴリオ暦に切り替えた事が主な理由です。

ユリウス暦は実際の1年よりもおよそ11分14秒長く、128年経つとほぼ1日の誤差が出ます。1280年経つと約10日の誤差が出ます。更に倍の年、2560年まで来ると20日の誤差が出て、季節と暦との乖離が捨て置けないくらい甚だしくなってきます。という事で誤差10日くらいの内に何とかしようとなり、実際の1年より26秒長い、精度面で大幅に向上したグレゴリオ暦を採用、1582年よりこの暦が現代に至るまで世界の主だった国々で使われています。

それは良いのですが、新暦発布当初、ヨーロッパ諸国の足並みは揃いませんでした。教皇直系のカトリック諸国ではすぐに導入したイタリア、スペイン他遅くとも2年の内にほとんどが改暦を済ませましたが、プロテスタント国は新暦の制度的優越を認めつつも、改暦には消極的でした。

イギリスもその一つで教会絡みのごたごたもあり、ようやく新暦導入に踏み切ったのが1752年9月14日から。つまりリリーの生きていた時代、1602年から1681年までは、母国イギリスでは旧暦ユリウス暦を使っていた訳なんです。

よってクリスチャン・アストロロジーで紹介されているチャートは全てユリウス暦で出されており、僕が出しているチャート図は現在も使用されているグレゴリオ暦によるものですので、約10日のずれが発生しています。

リリーが2月10日8時45分に出したチャートはユリウス暦で、この日時をグレゴリオ暦に直すと10日後の2月20日9時ちょうど(から1分までの間。アストロログは秒単位の表示が出来ないのが残念)のチャートになるとご理解いただけると嬉しいです。勿論星の配置はほぼ同じです。

 

以上のっけからなんだか難しい話をしてしまいましたが、改暦の話はぜひ押さえておいていただきたく、ご紹介させていただきました。

次回はなんでリリーさんが冬の只中に食べる為の魚と(まだ出て来てないけど)ポルトガル玉ねぎを年末から用意しておく必要があったのか、キリスト教徒の占星術師らしいエピソード満載でお届けする予定です。来月アップ予定ですので、今暫くお待ちくださいませ。

 

アルカス